今回の珍道中仲間の大輔さんには、
モスクワ生まれのモスクワ人のご友人がいらっしゃいまして
で、実はこのご友人はロシア屈指の有名なピアニストでいらっしゃいました。
丁度パリでのコンサートを終えてモスクワに戻っていたとのこと。
昨日、私たちがゲレンジークからモスクワに戻ったとき、
このピアニストさんが、サプライズで空港まで車で出迎えてくれたんですね。
それでご自宅で夕食をごちそうして下さったり・・・ と、大変お世話になったのでありました。
お~ピアニストってのは、こんな感じの人種なのね・・・
何というか・・・至って普通の人間でした~(笑)
でも音楽の話しになると性格がコロっと変わりますね。
このピアニストさん宅はモスクワの中心にありました。
私は、訪れる国々の人々の日常生活にふれ、 彼らが毎朝何を想って目を覚まし、どんな景色を窓からながめ、 そして朝食に何を食べて(重要デス!)、 どんな暮らしをしているのか・・・ということを知るのが大好きなんです。 ちょっとして私の趣味でして・・・。
今回、こうしてロシア人の暮らしにふれることができて、 これまた感謝なのでした。
今晩21時発の飛行機で日本に帰国するので、
それまで1日観光をしよう!ということになりました。
ピアニストさんきってのおすすめで モスクワから北東220Kmに位置する、
スズダリに連れて行っていただくことになりました。
わーい!
実は私は単純に、赤の広場や聖ワシリイ大聖堂を見学できれば・・・ と思っていたのです。
特に聖ワシリイ大聖堂は、 色とりどりのマカロンを屋根に乗っけたお菓子の城みたいで、
ひと目見たいと思っていた建築物のひとつでした。
(ほら、モスクワのポスターには必ず載っているカラフルな建物ですよ~。 そう、あれあれ!)
でも、ユネスコ登録世界遺産のスズダリも行ってみた~い。
モスクワの道路渋滞は有名な話。
だから飛行機に乗り遅れないかちょっと気になったけれど、
モスクワ人が
「明日は日曜日だから渋滞はないよ。スズダリまでは車で2時間だから、 観光後は直接空港に送ってあげるよ」
そういうなら、うんうん大丈夫~。 ここはロシア人の推薦に従うべし!
ピアニストさん、ありがとう~。 わーい!
ということで、早朝に荷物をスーツケースに詰め、
朝8時半にホテルのロビーで待ち合わせをしたのですが、
ピアニストさんが一向に現れない!
外国人は時間にルーズなことは有名(+私も癖なのですが・・・)。
でも人種に関係なく、音楽家はオンタイムだそうなんですね。
ほら、コンサートとかリハーサルなどは時間厳守だから、とのこと。
でもピアニストさんはとってもプロでいらっしゃるのに現れない・・・。
1時間ほど経過したとき、凄い形相でピアニストさんがホテルに入って来た~。
「在りえない!オレ寝坊したんだ!目覚ましをセットしてあったんだけれど、 何故か時計自体が1時間遅れていたんだよ」
若干、寝癖のヘアースタイル。
うん、大丈夫だよ~。不思議なことはあるものさ~。
ということで、 我々はスーツケースを車に乗っけて、
いざスズダリへ車を走らせてもらったのでした。
ピアニストさんの車にはCDプレーヤーがなかったので 道中、
なぜか私のiphoneに入っている曲を聴くことになってしまいました。
何を隠そう私はポップカルチャーイグナラント! 音楽は好きなのですが、そこまで興味があるわけではなく 私のiphoneに入っているミュージックは数曲。
それも決してクラシックを専門としている 著名なピアニスト様のお耳に聴いて頂けるような曲ではないのです。 ガーン~・・・えっ、本当に私のセレクショ~ンでよろしいのでしょうか・・・? いい? ホント? いい。 あ、そうですか・・・(冷や汗)、では・・・(う~やむを得ない・・・)。 イヤになったらいつでも止めてネ! あたくし、無知なあたしが恥ずかしかったのであります~(笑)。
そうこう話しているうちに、窓の向こうに見える景色が田園風景に。 シベリアとは異なった風景でした。
スズダリに到着~ スズダリはカメンカ河に囲まれた丘陵の上にクレムリンを擁する、 9世紀頃に誕生した古都。 クレムリンはモスクワにもあるけれど、 元々は要塞という意味で、その都市を守る中心地。
たいていロシアのどこの街もクレムリンを中心に、街は広がっているとのことでした。 (スズダリは8巻下に登場します)
並木道を通ってクレムリンに向かいました。 かつてこの町は全長1.4キロにおよぶクレムリンの土塁に囲まれていたんだって。 クレムリンの中には1222~1225年にかけて建設された ロジェストヴェンスキー聖堂があります。
ピアニスト君:「ここはスルーね。写真撮影だけにしておこう」
我々:「はーい!」
のどかな田園風景の中を歩き、 アコーディオンで哀愁漂う曲を演奏しているおじさんの演奏を堪能してから、帽子にコインを入れて。
それから、スズダリ特産の蜂蜜酒「メドブーハ」を飲みました。 アルコール度数はとても低く、蜂蜜の香りがほのかに漂う、 ちょっと不思議なドリンク~。
その次に民俗博物館みたいなところに連れて行ってくれました(たしか6巻と8巻下に登場)。
木造の美しい教会。屋根のてっぺんにある球体(マカロンみたいなやつ)も木造です。
また、当時の農民や商人の家も再現されていました。 どこの国も同じだな~。
我が家に欲しいペチカ・・・。ペチカはお料理もできるし、ベッドにもなるし、最高です!
博物館を出た後、全員が腹ペコだということが発覚。
そこで一路ロシア料理レストランに。
私はロシアのスープが大好き! ボルシチは赤いスープ。
今日は白いスープのシーをいただきました。
お腹が満たされ、みんないい気分~。 ゆっくりしていたら、スズダリでの滞在時間タイムアウトになってしまいました。
その前に、ポクロフスキー女子修道院(8巻下に登場)をちょっとだけ見学。
ピョートル1世の最初の妃だったエヴドキヤ・ロプヒナもここで暮らしていたそうです。
では、モスクワに帰ろう~!
ということで、来た道を戻ったのです・・・・が!
しかし!BUT!
なんと、道路工事をしているらしく、大渋滞になっているではありませんか!
モスクワにアクセスできる道路はコレしかないらしいし・・・。
21時のフライトだから遅くとも20時には空港に到着していなければ・・・。 でも、はっきり言ってこれはどう見ても無理だわ~。 あれ~
運転手は大焦り。
まっ、そりゃそうだろうな~
そこでアエロフロートに電話をしてもらい、 明日の便への変更をお願いしてもらったんですね。
「21時までに空港のカウンターに来てください。そこでペナルティー代をお支払いいただければ明日のフライトに変更させていただきます」
そう、我々の航空券は変更不可能なFIXタイプだったんですよ。
ま、5時間はあるから、21時までには空港に到着するだろう~。
そう思って、私は後部座席でゆるゆるしてました。
しかし!BUT!
道路工事は結局、計6か所で行われており、モスクワに入れたのが20時。
飛行場に到着したのが21:15だったのでーす。
丁度まさにその時、本来我々が乗っているはずだった成田行きが、 ロシアの大地を離陸したのでした・・・。
我々3人は凄い勢いでアエロフロートのカウンター目指してダッシュしました。
ぜいぜいしながら、アエロフロートのおばさまにご挨拶。
でもね、首を横に振られてしまったのでありました~。
やっぱりルールはルールよねぇ・・・。
で、ほぼ全額払って翌日のフライトを購入―。
まっ、これで無事に日本に帰国できるんだからヨシとしよう。
うんうん、そういうことにしよ~っと。
それに、よく考えてみたら、アナスタシア・シリーズに登場するスズダリや民俗博物館、ポクロフスキー女子修道院にも行けたんだから、これは逆に素晴らしい計らいなのかもね☆
飛行場よ、また明日来ます!
その後、ピアニスト君宅に再度おじゃまして泊めて頂いたのでした。
もう笑うしかないから、みんなで笑お~!
このモスクワのマンションはいつ建てられたのだろぅ。
レンガ壁がやけに重圧で、お部屋の中はポカポカ~。
今日はここでおやすみなさ~い。